●江戸明治和本●〈加越能〉名物往来［名物状］（2種） 【判型】半紙本1冊と中本1冊。縦226・163粍。 【作者】不明。 【年代等】半紙本は文化7年6月刊。［金沢］八尾利右衛門板。中本は江戸後期刊（刊行者不明）。 【備考】分類「往来物」。『〈加越能〉名物往来』は、『〈安政新板〉合書往来』に収録するほか、別に単行本としても刊行された。文化7年板はこれまでに発見された範囲では最古本で、若狭・越前・加賀・越中・能登・越後・佐渡を含む北国（北陸地方）の物産品を列記した比較的短文の往来。「凡、北国之服飾・名物者、若狭芍薬・蓮肉、同所之香附子、北浜酒、同筆、越前切石・鳥子・奉書…」で始まり、佐渡の金銀や小鯣等までの産物を列挙した後、以上7カ国が穀類・青物その他に富むことなどを述べて結ぶ。本書は嘉永7年書『加賀往来』と江戸後期書『能登往来』などと密接な関連があり、いずれも本書の一部を採って増訂したものとも考えられる。なお、類書に文化8年頃書『名物状』、文政頃書『〈加越能〉三ヶ国往来』がある。なお、底本のうち、半紙本は、本文に「名物往来」「名頭字尽」「百官名尽」「大日本国尽」を収録し、巻末に「五性書判」「平仮名・片仮名いろは」「十干十二支」を掲げる。また、中本『〈新刻〉百官名頭尽・名物往来』は、「百官名尽」「東百官」「名頭」「名物往来」を収録する。 ★原装・題簽付・状態概ね良好。他に所蔵無し。